冬が終わり、暖かくなってくると、気持ちも晴れやかになって、外出を楽しむ機会も増えていきます。
それと合わせて悩む機会も増えてくるのが、「汗」の問題。
その中でも、お気に入りのお洋服の脇の部分が黄ばんでしまって、落ち込んでしまう、という悩みがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、ワキガ・多汗症治療を長年行ってきたマリアクリニックグループの1院である岡山マリアクリニックが、服につく脇の黄ばみの原因と対策について解説いたします。
「脇に黄ばみができるのは、たくさん汗をかいているからだろう」
と考える方は多いと思います。その流れから、
「もしかしたらワキガ体質かも。」
と思い悩んでしまう方も少なくありません。
脇汗で衣服が黄ばんでしまう原因は複数あります。
ここではその中から2つご紹介いたします。
衣服の脇部分が黄ばんでしまう原因の1つとして、洗濯で落としきれなかった皮脂が挙げられます。
洗濯で落としきれなかった皮脂が衣服の繊維の中に蓄積してしまい、空気にふれて酸化することで黄ばみとなってしまう、ということがあります。
汗の中には色素成分を含んでいる汗があります。「リポフスチン」という色素成分で、この「リポフスチン」は赤褐色の色素成分です。
「リポフスチン」という色素成分は、非常に頑固な黄ばみを引き起こしやすいのが特徴で、洗濯で落としきれないと、酸化し、衣服が黄ばむ原因となります。
「リポフスチン」という色素成分は、全ての汗に含まれるわけではなく、「アポクリン腺」という汗腺から分泌された汗に含まれています。
この「アポクリン腺」から分泌される汗は、臭いも生じやすいため、黄ばんだ部分から特有の臭いがすることも特徴です。
先述した通り、黄ばみの原因はそれぞれ違います。しかし、共通する汗が黄ばみの原因の1つとなります。 脇の臭いも汗が原因の1つですが、全ての汗が原因となるわけではなく、「どの汗腺から分泌された汗か」で臭いが強い、弱いが決まっています。 汗腺には「エクリン腺」と「アポクリン腺」という2つの種類があり、見た目は同じ汗でも、含まれている成分の違いがあります。 臭いの原因となる汗は、「アポクリン腺」という汗腺から分泌された汗が原因です。 (⇒ここに汗腺の違いの記事に飛ばすリンクがほしい。) ワキガ体質かどうかも、このアポクリン腺から分泌される汗が多い(つまり、アポクリン腺が多い)かどうかで決まっています。 いま出ている汗がどちらの汗腺から分泌されている汗か、というのは判断しづらいですが、臭いの有無や、黄ばみ方の違いで判断することができます。
ワキガではない人の汗はほとんど水分でできている汗です。
この汗は、「エクリン腺」という汗腺から分泌する汗で、無色透明でサラサラした汗です。
この汗には元々臭いがありませんが、皮膚の雑菌と混ざると臭いを発するようになります。
同じように、黄ばみも「エクリン腺」から分泌された汗と雑菌や皮膚表面の皮脂と混ざり、衣服に付着することで、徐々に黄ばみの原因となります。
この黄ばみは、色も薄く、境界線がぼやけていて、臭いもほとんどしないことが特徴です。
一方、ワキガの人の汗は「エクリン腺」からの汗よりも、「アポクリン腺」から分泌される汗のほうが多いのが特徴です。
「アポクリン腺」という汗腺は、全身にあるわけではなく、脇の下や耳、外陰部(がいいんぶ)など特定の場所にのみ存在します。この汗には、脂質やアンモニア、タンパク質などが含まれており、これらの成分が皮膚の常在菌と混ざることでワキガ特有の臭いを発します。
この「アポクリン腺」から分泌された汗によってできた衣服の黄ばみは、色が濃く、ワキガ特有の刺激臭がすることが特徴です。
この黄ばみは、色は濃いめで、境界線はくっきりしているのが特徴です。
先述した通り、黄ばみにも種類があり、原因もそれぞれ違います。
エクリン腺から分泌された汗と常在菌が混ざったことによって発生した黄ばみや、ほかの原因でできた色素の薄い黄ばみ(制汗剤の成分によって発生する黄ばみや皮脂汚れの蓄積によって発生する黄ばみなど)は、ワキガ体質でない人でも発生する黄ばみです。
ただし、色素の濃い黄ばみがある場合、特に、脇がほかの部位で生じた黄ばみよりも色が濃く、且つ、独特の臭いを発する場合は、「アポクリン腺」から分泌された汗の中の「リポフスチン」という色素成分が原因だと考えられ、すなわち、ワキガ体質の可能性も考えられる、ということです。
ただし、このサインだけで、ワキガが発症している、と断言することはできません。
ご自身がワキガであるかどうかを正確に知りたい場合は、専門医の診断を受けることをお勧めします。
衣服の黄ばみは目立ちやすく、時に不潔に見られてしまう場合があります。しかし、衣服の黄ばみ対策のために、何度もクリーニングに出したり、黄ばんだらすぐに買い替える、ということは手間や費用がかかってしまいます。手間や費用をかけないためには、衣服が黄ばむ前の予防が大事です。
ここからは、服の黄ばみ対策についてご紹介いたします。
黄ばみの原因に共通しているのは、「汗」です。そのため、衣服の黄ばみを予防するには、まず汗をこまめに拭くことが大事です。
ただし、汗をふくときは、清潔なタオルや汗拭きシートを活用しましょう。
使い古しのタオルなどでふくと、余計雑菌が増えて逆効果、なんてこともあります。
また、汗拭きシートも消臭効果や殺菌作用のあるものを使うことで、臭い対策にもなります。
汗を拭く以外にも、脇汗パットを活用することも効果的です。脇汗パットはこまめに取り替えることができるので、清潔な状態を保つことができ、臭いの緩和にも期待できます。
衣服の黄ばみを防止する方法として、食生活の改善も効果があるといわれています。
「なぜ食生活?」と思う方もいらっしゃると思いますが、これは汗腺との関わりがあるためです。ワキガの原因でもあり、濃い衣服の黄ばみの原因でもある、「リポフスチン」という色素成分を含んだ汗を分泌する「アポクリン汗腺」は、肉や乳製品などを摂取することで刺激される、と言われています。普段からこうしたものを好んで食べる方は、量を減らしたりすることが大事です。
また、お酒や煙草も「アポクリン汗腺」に刺激を与える可能性があるため、できるだけ控えたほうがよいでしょう。
衣服の黄ばみを防止する行動をとっていても、どうしても衣服の黄ばみが気になる、という場合は、医療クリニックで本格的にワキガ治療を検討することがおすすめです。
特に、濃い黄ばみの原因となる汗を分泌する「アポクリン汗腺」は生まれつき保有数が決まっており、もともと保有数が多い方はどうしても対策しきれない場合が多くあります。
そのような方は、「アポクリン汗腺」そのものを除去する、ワキガ治療を受けることが一番効果的です。
■メリット
①脇汗の量を抑えることができる。
②臭いを抑えることができる。
③施術によっては、半永久的に脇汗、臭い、黄ばみの悩みから解放される。
■デメリット
①施術によっては効果が一時的になる。
②施術によって、ダウンタイムや行動の制限がある
③保険診療では治療を選べず、自由診療だと費用が高額になることもある。
ワキガ治療の中でも、今一番注目されている治療法が「ミラドライ治療」です。
このミラドライは、従来のワキガ・多汗症の根本治療だった「ワキガ手術(剪除法)」と同じく、わきの下にある汗腺を無くす治療です。ただし、ワキガ手術(剪除法)は脇の下の皮膚をメスなどで切開し、汗腺を体外に取り出す、という方法に対して、ミラドライによる治療は、脇にマイクロ波をあて、その熱により汗腺を破壊することを可能にした、画期的な医療機器です。
そのため、メスで脇の下を切開する必要がないため、傷跡は残りません。また、ワキガ手術(剪除法)のように、入院や術後の行動制限などはほぼありません。ミラドライ施術は施術の翌日から通常の生活に戻っていただけます。
保険診療の「ワキガ手術(せんじょほう)」と比べて、保険診療対象外のため、施術費用は高額になりやすいものの、ダウンタイムは短く、且つ、傷が残らない、わきが・多汗症の根本治療として注目を集めています。
ミラドライは、アメリカで開発された医療機器です。
そのミラドライを日本で初めて展開したクリニックの1つが、私たちマリアクリニックグループです。
マリアクリニックグループは、ミラドライが日本に入ってから、常に「効果的で、且つ安全なミラドライ治療」を目指し、ミラドライ治療の研究を続けてきています。
岡山マリアクリニックでも、今まで研究してきた技術と知識をもって、「1人でも多くの方をワキガの悩みから救いたい」という思いで、ワキガ・多汗症治療を行っております。
岡山マリアクリニックでは、まずは患者さまのお悩みや治療法の紹介などを、カウンセリングの時間で丁寧に診療、ご説明をさせていただいております。岡山マリアクリニックのカウンセリングは無料です。まずはお悩みのご相談でも構いませんので、お気軽にご予約ください。
記事監修医師
小林幸子 医師